核酸

DNAの遺伝情報に基づき「RNA」

DNAの遺伝情報に基づき「RNA」【DNAの遺伝情報をもとにタンパク質を合成】
RNAは、主にDNAの情報をもとにアミノ酸を結合させて、タンパク質を合成する役割を担っています。 RNAはDNAと同じくヌクレオチドから構成されますが、塩基はDNAと同様のアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、そして残りの一つはウラシル(U)です。全体構造はDNAと大きく異なり、DNAが二本鎖で存在するのに対し、RNAは一本鎖です。
RNAには、タンパク質の合成に関わる3種類のRNA(メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA (tRNA)、リボソームRNA (rRNA))があり、図のようにDNAと協調してタンパク質の合成を行っています。 タンパク質を構成するアミノ酸は約20種類ですが、体内では摂取したアミノ酸などをもとに新たなタンパク質の合成が行われ、約10万種類ものタンパク質が作りだされています。遺伝子の塩基配列は、タンパク質をつくるためのアミノ酸の並びを指定しており、塩基が3つ1組になって1つのアミノ酸に対応しています。タンパク質の合成は、次のような順序で行われます。
(1)DNAの二重らせん構造がほどけ、必要な部分だけがmRNAに写し取られます。(転写)
(2)mRNAの情報に基づいてtRNAが必要なアミノ酸を集め、細胞質の中にあるrRNAに運び、rRNAとタンパク質で出来ているリボゾームで、アミノ酸を繋ぎ合わせて必要なタンパク質を合成します。(翻訳)

【遺伝子の発現を制御する】
私たちの体は、形や大きさ、働きの違う約60兆個の細胞から成り立っていますが、それらの細胞一つ一つの核の中には、等しく全遺伝情報が含まれています。働きが異なるたくさんの細胞がそれぞれの個性を発揮し、協調して役割を果たせるのは、それらの全遺伝情報のうち、働いている遺伝子の組み合わせが細胞ごとに違うからです。「遺伝子が働く」「遺伝子が発現する」とは、その遺伝子の情報をもとにしてmRNAが合成され、タンパク質がつくられることです。体内では、外部環境や体内の変化に対応して体内を適切な状態に保つために、常に調節が行われています。このように個々の遺伝子は、いつ、どの細胞で、どのくらい発現するかということを種々の機構によって制御されています。その遺伝子の発現制御には、大部分の遺伝子で転写(遺伝子からmRNAがつくられる)段階での発現調節が重要であるとされてきました。そして近年、タンパク質合成に関与しないRNA(ノンコーディングRNA, ncRNA)が発見され、転写後で遺伝子の発現を制御するという働きがあることが明らかになりました(RNA干渉)。ヒトゲノムの解読終了以来、RNAの新たな重要な働きのひとつとして「RNAが遺伝子発現を制御する」ということが明らかになっており、注目されています。